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実際に我が家にやってきた金魚に対して処方した事例にてご紹介致します。
ただし、下記の内容が100%正しいとは限りません。時期・環境により異なる場合もあるかと存じますし、人によってはやり方や処方が異なると存じます。
人間が医者にお世話になる際も、お医者様によって多少治療方針や処方薬、そして薬を投与する期間が異なるのと同じです。
その為、誠に恐れ入りますが、皆様が参考するに当たっては自己責任にてご利用頂けます様お願い申し上げます。
病気を疑う
我が家が金魚すくいで4匹とった金魚ですが、そのうち1匹は我が家に着いて約3時間で★になりました。すくってから約3時間30分の命でした。もともと弱っていたようです。
この時点では他の3匹の金魚にケガ?と思われるようなウロコがはがれているようなものは観察できましたが、まだ病気とは判断できませんでした。その為、いきなり水槽に入れず、別のバケツにて残りの金魚3匹を3日間「0.5%塩水」+エアレーションにて様子を見ることにしました。
最初は塩を少な目にして、徐々に0.5%に持って行くと金魚に優しいです。
塩水に入れている間はエサも与えないで様子を見ます。フンが見受けられたら1日1回水を交換します。水を交換する際はもちろんカルキ抜きをして塩を加えます。
3日間「早く水槽に放してあげたい」と思う気持ちを押し殺し辛抱しました。
ようやく3日経過し、バケツを観察する限りは特に問題なさそうでしたので、45cm水槽に放してみました。
そして水槽を泳ぐ金魚を改めてよく見ると3匹とも尾びれに、小さな白い点が何個もあるのに気が付きました。
これは病気に違いない! 慌ててその3匹を再度隔離する為、塩水のバケツに戻しました。
失敗だったのは、塩水につけている間、バケツの上からしか観察しなかったことだと思います。
観察する時だけでも透明ケースに移して金魚を真横から覗かないと魚の体全体を良く観察できず、上からでは当然気が付かない部分があったのだと、勉強になりました。
45cm水槽にはもともと元気な金魚が2匹いたので、感染防止の為「唐辛子」を入れて、水を殺菌開始し、様子を見ることにしました。
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白点病
病気はどうやら「白点病」と言う病気のようです。白点病の治療法や特徴は下記の通りです。
病原体の一番の感染原因は汚染された魚や水からですが、自然な状態にも病原体がいるのは空気中も水中も変わりありません。金魚が掛かる病気で一番多い病気が白点病です。良く掛かる病気ですので、あわてることはありません。
感染初期は体がかゆくて、金魚は体を堅い水草やジャリなどに擦り付けるようです。このしぐさを発見したら即水槽から隔離して治療した方が良いらしいですが、この段階になると当然水槽は病原体が蔓延しているでしょう。擦り付けて出来たキズから更に感染することもあるらしいです。
白点病の病原体の生死サイクルは4~5日程度。1日で卵がかえり水中を浮遊(人間の目ではまず見えません)、次の1日には運がよかったものが怪我している所などから魚の体内に入り、体内で寄生して魚の栄養分を得て成長。更に1日で成長した寄生虫(白点虫)が尾びれなどから体外に露出し、その露出した寄生虫が白く見えます。
この時見える症状が直系1mm程度の白い点のようであることから白点病と呼ばれます。そして1日で卵を放出し親の寄生虫は死亡するらしいです。
25℃以下の水温で繁殖し、25℃以上だと生きているが活動停止。30℃以上だと魚体内に入り込んでいる病原体も暑くて体外(水中)に出るようです。
病原体がいる水は、水滴1つだけで他に水槽にも感染してしまうとの事。
なお、この病気に掛かると魚は寄生虫に栄養分を取られ体力を消耗するので、エサはあげた方が良いと小生は判断しています。
特効薬としてはエチレンブルーと言う薬が有効ですが、水中にある細菌と、水中の寄生虫に対して効果を発揮するようで、魚の体内にいる病原体や卵の状態になっている病原体には効果がないとの事。よって、4~5日のサイクルの中で、病原体が水中を漂う間のみに効果がある薬であることを理解して治療しなければ効果を得られません。
白点病の治療
今回、病気の金魚は3匹ですが、そのうちエサを食べるのは1匹だけで、残り2匹は食欲がない=ほんとうに病気なようでした。水温は26℃以上ですので、食欲がなくなる水温でもありません。
水中ヒーター(水中加熱装置)で水温を30℃以上にすれば、病原体も金魚の体外に出てより治療効果がありますが、熱帯魚を飼わない我が家には水中ヒーターはありません。楽天などの通販なら安く買えますが、到着を待つ日数を考えると今から注文してもしかたありません。さっそく量販店にヒーターを見に行きましたが、30℃など高温に温度を調整できるタイプは4000円もしてしまう!
「命」を考えると不謹慎かも知れませんが、1匹100円程度の金魚に4000円の投資はさすがに抵抗がありました。
もともとこのヒーター代と電気代を考慮して、熱帯魚ではなく、わざわざ淡水魚を飼うことにした経緯もあり、ヒーター購入は断念。でも、1つの命として見殺しにもできないので、売り場で薬とにらめっこし、金魚すくい300円の金魚たちに約1200円の薬がなぜ必要なのか?と、売り場で10分くらいさんざん悩んだあげく、治療(トリートメント)するための薬で、楽天などで販売されている グリーンFリキッド(日動)を購入しました。
下記の通販で買えば、もう少しお安いです。
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薬を使用せずに0.5%塩水だけで魚が持つ回復能力にて治療を促進させることも有効な手段ですが、既に3日間塩水につけてもこの状態だったので、薬浴を最終的に決意した次第です。
なお、市販されている魚用の薬の中には「薬」と明記されているのに、ただの塩化ナトリウム=要するにただの塩と言う製品もありますので、ご注意を。
薬に記載されている説明では特に水温には触れておらず、水槽に薬を入れて5~7日間様子を見るとだけあります。結構適当な内容です。
尾びれに複数の白点が見られる為、その寄生虫を体内から早く出すには、はやり一時的にでも水温を高くした方が良いだろうと判断。洗面所で温水を用意して、4in1(カルキ抜き)を投入し、金魚がいるバケツに投入し、水温が30℃超える程度に調整。
そして、薬を規定量入れて1晩様子をみました。薬を入れたので塩は「なし」です。
エサは少量与えますが、この時点でも、良く食べる金魚とほとんど食べない金魚がいる状態でした。
荒治療でしたが、翌朝、尾びれの状態はかなり改善されており、水温を高くしたのが多少効果あったようです。
2匹は完治と言って良いかも知れませんが、一番小さな1匹だけはまだ2~3粒ほど白い点が見えます。水の交換数時間前にエサをあげ、体力回復を狙い、フンがだいぶ出た所で、水を入れ替え、再び水温を30℃に調整して、改めて薬を投入。
しかし、この薬投入2日目の夜、観察するとエサを目の前にしてもあまり食べなかった一番小さい金魚がひん死の状態に陥っていました。もう、正しく泳ぐことが出来ず、水面に浮いて横たわっている状態。
エラ呼吸もしておらず一見すると★になっているように見えます。しかし、手で救い上げると最後の抵抗か飛び跳ねました。生きていた!と喜んで水中に戻してもまた死んでいるかのように動かずプカプカと横たわって水面を浮いている状態。
やはり体が小さく、エサも食べなかったので体力が持たなかったのだろうと思います。残念ながらこれではもう回復は望めないと判断し、水から出して丁寧にビニール袋に入れました。その間抵抗は一切なし。翌日朝、娘と一緒に土に埋めてお墓を作りました。金魚すくいの金魚が我が家に来て5日目の事でした。
薬使用から4日目、100円ショップで購入した透明のケースにカルキ抜きしたキレイな水を入れて、残り2匹となった金魚を移し改めて観察。1匹にはもう病気は見受けられなくなりました。しかし、体が小さいもう1匹はまだ尾びれに白い点が見受けられます。もう少し2匹とも薬浴を続けることにしましたが、お湯を投入するのはやめにしました。
薬使用から5日目、尾びれに白い点があった小さい金魚も、幸いほとんど改善されたようです。もう1匹はその後症状も見られず完治でしょう。
6日目、2匹の金魚とも問題なくなりました。明日も症状が見られなければいよいよ水槽に移そうと考えます。
7日目、問題なさそうなので2匹とも完治と判断し、45cm水槽に移しました。既に45cm水槽にいた2匹とこれで合計4匹の金魚になりました。
さて、話は戻り白点病に気が付かず1度投入してしまった水槽ですが、7日経過しても、元々水槽にいた金魚はいたって元気で症状は見られませんでした。水温27度前後であったことと「鷹の爪(唐辛子)」を入れて殺菌させたのが幸いしたのかも知れません。その後数ヵ月後も全く問題なしです。
完治したと思われる金魚を投入しても、その後白点病に金魚が掛かることはなかったので、上記の方法で白点病は克服できたと思います。
今回小生はヒーターなしで治療に当たりましたが、ヒーターがあれば寄生虫の卵が孵化するのを抑えて、効果的に治療できるのは言うまでもありません。
しかし、金魚すくいの金魚は、高いし、初期の世話に手間と費用が掛かる・・。元々金魚がケガしていた箇所は、金魚が大きくなってもそのままです。
費用だけで言うなら、通販で「すくい枠」を購入して、ショップで買ってきた健康な金魚を家の洗面器などに移して楽しんだほうが、トータル的には安いような気がします。(あじけないか?)
白点病治療のコツ(小生の場合)
プラケースやバケツなど、別水槽を用意して、治療専用水槽とする。(本水槽は治療に使用しない)
フィルター類は薬などがろ過されるので使用しない。エアーポンプにて、エアレーションだけ行う。
薬を使用した際には、塩は使わない。
白点病に限っては、体力をつける為、エサはあげる。ただし、毎日50%以上の水交換をし、その都度、薬を追加する。
水交換時の温度調節には細心の注意を払う。(水中ヒーターがあると便利)
病状は透明ケースに魚を入れて、横から魚の状態を観察する
※本水槽内で発病した際には、本水槽は治療している間にリセット。立上げ後、唐辛子で殺菌しておき、治療後すぐに魚を投入できるよう準備しておくこと。
最近は、水中ヒーターもだいぶ安いのがでてきました。
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