競走馬が骨折すると なぜ安楽死させるのか? 理由を3分でわかりやすく

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競走馬の安楽死

JRAなどの競馬に出場するサラブレット・競争馬が、足を骨折して、安楽死させたと言うニュースや報道を度々目にします。
なぜ、馬は骨折すると、安楽死(あんらくし)させるのか?
人間みたいにギブスをはめて、完治するのを待てないのか?
殺傷するなんて、かわいそうだと思いますが、なぜ、安楽死させなければいけないのか、その理由を、簡潔に記載・説明してみたいと存じます。




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まず、安楽死するかどうか?の判断をするのは、獣医師が診断すると言う事になります。
専門用語で「予後不良」(よごふりょう)と診断されると、安楽死させます。
診断する獣医師も、これが馬にとって、最善であると言う判断に至った結果が、安楽死と言う事になります。

馬のレース・競争中や、調教中などに、足を骨折したり故障した場合に、回復が極めて困難な場合には、その「予後不良」になります。

もともと、競走馬の場合、1本の足に100kg~150kgもの負担が掛かります。
しかし、足は細長く、ヒビなどの故障・骨折が発生しやすいと言う特徴があります。
そして、1本の足だけでも、骨折しますと、その体重が、他の3本足に負担がのしかかることになります。
そうなりますと、健康な他の足にも、蹄葉炎(ていよう えん)、蹄叉腐爛(ていしゃふらん、ていさ ふらん)といった病気を発症します。
例えば、重量によって血行障害が発生して、蹄(ひずめ)の内部が炎症を起こし、骨折していない足も、次々に故障が発生するのです。

馬は、自分の体重を、常に4本の足で支えないと、生きていけないのです。




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かつて、日本中央競馬会にて、春の天皇賞や、有馬記念を制したテンポイントが骨折した際には、馬主の意向で安楽死させずに、療養をしました。
33名もの獣医師が医師団を組んで手術を行い、もう命は大丈夫と言う保証も出たくらいでした。
しかし、結局は、骨折した足に体重がのしかかり、患部が腐敗して骨も露出します。
そして、蹄葉炎を発症し約5ヶ月後に自然死しています。
体重も500kgから、300kgまでやせ細っていたそうですので、治療と申しましても、馬にとっては壮絶な闘病生活になったことが伺えます。

他には、皐月賞と菊花賞を取った2冠馬のサクラスターオーも、有馬記念1番人気でのレースに無理に出走したことで競走中に足を故障して、競走中止しています。
この時は、骨折ではなく、靱帯断裂と関節脱臼でしたが、ファンの要望などもあり、せめて種牡馬にと厩舎での闘病生活に入りました。
しかし、その後、他の脚でも体重を支えきれなくなり、立ち上がろうとした際に、別の足に骨折が発生します。
ついには、自力での起立が不可能となり、ケガをしてから約5ヶ月後に安楽死の措置が取られました。




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ディープインパクトの場合、JRAを引退して、種馬になっていましたが、腰を悪くしたため、手術を行い無事に終了しました。
しかし、翌日に突然、起立不能、すなわち立てなくなってしまい、レントゲン撮影の結果、頸椎に骨折が見つかり、回復の見込みがないことから、安楽死となりました。
17歳でした。(馬の寿命は約20年くらい)

人間が病院に入院するように、おとなしく、ベットで寝かせていれば良いのではと?とも感じます。
しかし、馬には、毎日、ずっと24時間、寝ていてねと話をしても、言葉は通じませんし、本能的に馬は、立とうとしてしまいます。
そもそも、立ったまま、寝ることが多いくらいの動物ですのでね。
仮に、横たわって、寝ているのが好きな馬であったとしても、体重が問題です。
寝たままですと、お腹周りの皮膚が、臓器や骨の重さで圧迫を受けて、人間で言えば床ずれのような状態になり、皮膚が重みに耐えられません。
ガリガリにやせてしまえば、骨が当たって、痛みも発します。
犬や猫は、体重が軽いので、たとえ足を骨折しても、寝ていれば大丈夫なのですが・・。

できれば、怪我をしたとしても、余生を送ってほしいところではありますが、このように馬は、4本の足で体重を支えられないと、生きていけないのです。
骨折などをした場合に、長い時間、馬がつらい思いをしないようにしてあげるのが、せめてもの心遣いと言う事なのです。

安楽死は、薬物投与などで行われます。
そして、荼毘(だび)に付されると、馬頭観音に供養されるのが通例です。

これから治療技術も、発達してくるのでしょうが、例えば、馬用の「車椅子」のような感じで、怪我した足の加重を支えられるような装置ができると良いですね。

コメント(8件)

  • […] こちらにわかりやすく書いてあります。 馬の安楽死について。 ロバも馬と似た感じです。 馬と違い500kgもありませんが、 […]

    • たか より:

      そんなにリスクがあるのに、なぜ走らせるのか? 走りたくないかもしれないのにムチで叩いて無理やり走らせる。それで怪我したら安楽死。
      カネを稼げなくなれば始末するってこと。 金儲けの道具に馬を利用することがそもそも間違えている。
      激しい運動をしたら死ぬかもしれないって人にマラソンをさせますか?
      安楽死って馬が楽になるんじゃなくて人間が楽になるんだと思う。

      • mariabel より:

        私も全くそう思います。

        競馬のようなギャンブル自体、禁止すべきです。
        馬を賭け事に利用しないでください。
        骨折したから安楽死?
        そもそも競馬は、馬にとっても騎手にとっても危険な行為です。

        賭け事を殺りたいかたは
        ご自分で走ってください!!!

        • 馬子 より:

          そうだ、そうだ!
          馬ではなく、自分で走って骨折して安楽死させてもらえ!

  • neige より:

    本当。競馬なんて競技は撤廃して欲しい。
    残酷過ぎる。
    農耕馬等と違って人間が生きていく上で必要じゃない。
    動物愛護法はなぜこれを取り締まらないのだろう?

  • より:

    競馬をいますぐやめるということは、
    食用にならない馬はすべて殺処分しろ、
    という意味ですが。

  • yuzu より:

    馬も人間と同じ生き物なのに、なぜ、手術もしないで、安楽死の選択されるのか、わかり
    ません。馬も人間も骨折するじゃないですか!
    命はあるのに命を落とさせるなんてひどすぎる!

  • 佐々木祐子 より:

    そもそも競馬なんて動物虐待では?自然に放牧してあげたらいい。
    馬のため❓人間のえごでしょ。

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